「赤ちゃんがインフルエンザに罹ったっぽい?」
「それとも風邪?」「ん?機嫌が悪いだけ?」
大人のインフルエンザなら、節々が痛い、急に高熱が出るなどの分かり易い初期症状があって言葉で説明できますが、喋れない赤ちゃんは、泣いてグズるしか術がありません。
「いつものグズりと違うな」と少しでも思ったら、早めに対応しましょう!
体力も抵抗力も弱い赤ちゃんは、重症化しやすいですし、インフルエンザ脳症・肺炎・気管支炎・中耳炎などの合併症を起こすリスクも高いです。
病院へ連れていくリスク(逆に病気を貰ってしまう)も心配なのはわかりますが、重症化しては元も子もありません。少しでも変だと思ったら、早めに小児科を受診しましょう。
インフルエンザ 赤ちゃんの症状
赤ちゃん(生後1年未満)のインフルエンザは、下痢や嘔吐から始まる場合もあります。必ずしも急な発熱から始まるとは限りません。ですから胃腸風邪との区別がつきません。
その後、急に熱が上がったらインフルエンザの可能性が高いです。大人だと38〜39度程度収まっても、赤ちゃんは40度以上出ることも珍しくありません。
無いと思いますが、ここで絶対に手持ちの解熱剤を使わないでください。
ボルタレンやポンタールなどの解熱鎮痛剤は、インフルエンザ脳症に罹っていると、死亡率が高くなることが分かっています。ですから原則子供には処方されません。
小児科ではアセトアミノフェンという解熱剤が使われます。
いくら熱が高いからと言って、大人の薬を飲ませたり、以前掛かった時に貰った薬を飲ませるのはダメです。病院へ行きましょう。
熱が高いと熱性痙攣を起こす場合もあります。
生後6か月〜3歳に多く、急に熱が上がるときに起こる痙攣発作で、全身がガタガタ震えて、白目をむいて意識を失うこともあります。嘔吐することもあるので、窒息しないように子供の顔を横向きにしてあげましょう。
「舌を噛んだりしないように」と割りばしやスプーン、指などを口に入れるのは危険なので止めましょう。左右対称に痙攣しているか、何分痙攣してるのかをチェックしましょう。大声で呼びかけたり、激しく体をゆするのはダメです。
初めてだと焦ってしまいますが、まずは親が落ち着きましょう。
高熱は3〜4日続き、一旦下がってまた高くなるケースもあります。熱が高いときは、頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感などが現れていて、泣き止まずにぐずり続けます。
こうなったら、四の五の言ってないですぐに小児科を受診しましょう。先にも書いたように、重症化や合併症を起こしてからじゃ遅いです。
インフルエンザの場合、鼻水・咳・のどの痛みなどは、高熱が治まってから出ることも多いです。
インフルエンザ 赤ちゃんに薬は使うの?
インフルエンザはウィルス性ですから、風邪で処方される抗生物質は効果がありません。
インフルエンザには抗ウィルス薬(タミフル・リレンザ・イナビル・アビアクタなど)しか効きません。抗ウィルス薬には、ウィルスの増殖を抑える作用があります。
1歳を過ぎれば、タミフルが使えるんですが、1歳未満は原則使いません。ただ、主治医の判断と保護者の同意があれば使うケースもあります。
タミフルには、副作用の可能性のある異常行動が問題になりましたね。この異常行動も心配です。しかし異常行動が多いのは12歳〜17歳頃で幼児にはあまりみられないと言われています。それよりも、インフルエンザ脳症などの合併症の危険性が高いと判断された場合に処方されるようです。病院によって方針が違うので、よく先生と相談してください。
その場合錠剤ではなく、タミフルドライシロップという小児用のタミフルです。これは薬の強さを少し弱めて、子供でも飲みやすく加工してあります。粉末状で何かに説いて飲ませるタイプです。
他の抗ウィルス薬は使えませんので、基本的には解熱剤・鎮咳剤などの薬での対症療法と、二次感染を防ぐために抗生物質が処方されることもあります。
ネットを見てると、「●ヶ月の乳児なのにタミフルが処方されました。大丈夫なの?」と質問してる方もいますが、ネットで質問する前に処方した先生に確認しましょう。
しっかり聞くことはその場で聞く!そんなことも聞けない先生なら、別の病院に変えましょう。
最後は別の話題になってしまいましたが、赤ちゃんのインフルエンザはとっても怖いです。適切な早めの対応が肝心です。早く回復することを願っています。
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